2007年4月21日土曜日

はじめての医療体験

2005年11月19日(土)投稿

昨日(18日),こちらに来て初めての「医療」体験。インフルエンザの予防接種を受けてきました。
大学の医務室で,150人分だけワクチンが届いたという情報を同僚から昨日聞き,今日急いで行ってきました。
受付兼助手の女性と医師は,2人とも英語が話せず。こちらはスペイン語がほとんど話せず。「アレルギーはないか」とか「卵料理は食べられるか」とか聞かれる。かろうじて単語で分かったのだけれど。そして,多分「今日,他の薬は飲んでいないか」とか「痛み止めは飲んでいませんね?」っていうことも聞いてきたようだ。アレルギーもないし,卵もOK。他の薬は飲んでいない。
パッケージに入った新しい注射器が冷蔵庫から取り出された。針の使いまわしはさすがにありませんでした(汗)。
注射器と注射液を手で少し温めたあと,椅子の横の台の上の綿をちぎり,アルコールと思われる液をそれにつけて,針を刺す場所を軽く消毒。
その場所を2度ほど拳で軽く叩いて,3度目にブスっ!と針が刺さりました。2度叩かれると,いつ針が刺さったかわからなくて,自分は好きな方法です。 15秒ほどでワクチンがカラダに入って行きました(って,こう書くとすごく生々しい…)。
針を刺した場所を押さえるために,また綿を千切ってアルコールでぬらし,それを渡してくれました。 その後も「その場で15分休んでいろ。」とか「もし具合が悪くなったら,この薬を8時間おきに1錠飲みなさい。」とか指示がありました。
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ちょっと命がけ?という感じはしました。体調がおかしいわけではなかったので,まぁ安心はしてましたが,もしアレルギーがあるのに,分からずに受けていたら…。ただ,今年の冬はヨーロッパでもインフルエンザが流行するようですし,大柄なヨーロッパ人に宿る病原体が自分の体に入ったら,悪さをする度合いが違うと思うので,予防接種を受けられるなら受けておきたかったのですね。
同僚は,「注射する前に消毒もしないし,注射の後も消毒しない」と言っていたのですが,まったく違っていました。この話を聞いたときは,「ああ,やっぱりスペインはそうなのか」と思ったのですが,まったく違う。 同僚がわざと違うことを言ったというわけではないという前提で考えれば,きっと注射をした人が違ったのでしょう。
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日本にいると,どこに行っても,サービスの質はほとんど同じで,サービス提供者が若くても,老いていても,男でも女でも,大きく違うことはありません。 でも,きっとそれは日本だけなんでしょう。医療という,場合によっては人の命に関わるかもしれないものでも,提供者によって施術の内容に違いがある。 これには驚きました。
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が,思い起こすと,こういうことは他でもありました。 マドリードではここ最近スタバが急速に開店しているようで,中心部ではよく見かけます。しかし,サービスは均一ではありません。いろいろな店舗でアイスコーヒーを注文すると,プラスチックの容器に氷を入れて,それにコーヒーを入れて出す店員と,氷とコーヒーを別容器で出す店員がいます(これは,スペインのカフェのやり方)。それに,ただのコーヒーを注文すると,基本的にはブラックですが,ある店員は「ミルクを入れるか?」と聞いてきました(これも,スペインのカフェのやり方。ミルクを入れるのは店員の仕事)。 このようにサービスには差があるのが当たり前のようです。
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このことに気が付くと,少し気分が楽になります。今までは,「なんでこうなんだ!」とか「なんでこうじゃないんだ!」と,密かに腹を立てることもありました。 しかし,「いつも同じサービスを受けられるわけじゃない」「違っていて当たり前」と思うと,どんな場面でもそれが応用できそうです。 そうすると,「この前はこうだったのに!」と腹を立てたり,がっかりしたりすることもなくなりそうです。

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